「テレワークでの部下の管理は難しい」は本当?

「テレワークは部下の管理が難しい…」と言う人に対して、

「いやいや、目の前にいたって満足に管理できてなかったんだから、テレワークでも一緒じゃないの?
 オフィスワークの時は出来ていたような言い方しないで。」と言う方がいらっしゃいます。


確かにそれも一理あると思われ、オフィスワークだから、部下マネジメントが出来ていたわけではなく、目の前にいたから、マネジメントができている気になっていただけという方も多いと思います。


しかし私は、そのような方でも無意識にできている『オフィスワークだからできるマネジメント』があると思っています。


例えば、未経験の新人が入社してきたとします。当然、最初は仕事のスピードも遅く、やれる事も少ないと思います。その時に、”その時点の力量で無理なくやれる仕事”を与え続けたらどうなるでしょうか?

そうしたら、その人は、あまり成長していかないのではないでしょうか?

やはり、その時点の本人の力量を超えた120%~130%くらいの仕事を継続的に与え続け、常に適度なテンションをかけ続ける事で、仕事のスピードも徐々に速くなり、やれる仕事も増えていくのではないでしょうか?

オフィスワークでは、そのマネジメントが無意識にできている人が多いのです。


例えば、こんな会話があったとします。

上司:「A君、この仕事も明日中にお願いします」
A君:「私、〇〇も□□もやっているので無理ですよ!」
上司:「いやいや、A君は、まだまだ出来ると思うよ・・・」
B君:「じゃあ、私がやりますよ!」
上司:「いやいや、B君は、今の仕事量だと、結構余裕無いと思うけど・・・」


上司は、目の前で部下が仕事をしていれば、表情・態度・休憩頻度等から、忙しそうにしているが実はまだ余裕とか、結構逼迫しているとか、ある程度分かるのではないでしょうか?

その上で仕事を指示しているので、本人力量に対して120~130%の仕事を出し続けるという事を、無意識にできている人は結構多いのです。

それが、テレワークとなると、普段の仕事の状況が見えない為、”報告時の言葉から判断する事”になりがちです。

良く聞こえてくるのは、部下を遊ばせるわけにはいかないので、「夕方までにこれをやっておいて!」「明日中にこれをやっておいて!」等、とにかく仕事を投げておく。その期日までに成果物が提出されれば、仕事はちゃんとやっているという事になりますが、そこには、先ほどの本人力量に対する?%のテンションという話はでてきません。。。

先程の話からすると、効率の良い部下育成ができているとは考え難いという事になります。部下育成のペースが落ちる。それは企業としては致命的かもしれません。

しかし、これからはテレワークの時代。大事なのは、テレワーク、オフィスワークの特性をしっかり理解した上で、テレワークにより抜け落ちる事を、しっかりカバーするという意識を持つ事と考えます。

ビジネスクリエイション事業部
事業部長 河口英二